キュレーション4:報道産業

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報道(ジャーナリズム)におけるキュレーションとは

先日、こんな記事が話題になりました。この記事を書いたのが記者というのがまた乙なところです。 ネットの登場によって、報道の在り方が根本から変わってきました。

ホリエモンの考える「新しいニュース批評の形」を勝手に考えてみる http://hiromikubota.tumblr.com/post/46832485560/imagination-of-horiemons-new-news-media

動画(リアルタイム配信や高画質)の技術が進んだことで、わざわざ現地に行って一時情報を得なくても同等の情報が手に入ります。もちろん動画で伝えられるのは視覚と聴覚なので、匂いや雰囲気、触覚の部分は感じることができませんが、それは今までのメディアでも伝えることが非常に困難なのであまり問題なさそうです。 また、ネットの広大な場所を利用した『全文書き起こし』では、同じく雰囲気やその時の振る舞いは見えません。ただ、動画と併用すれば問題ないのと、現状の報道も主に文字で表れてることから、時間やコストの効率性という面では非常に使い勝手がいい。動画でしかわからない、「なんか瞬き多かったから不安なのでは?」とかは主観に過ぎないので、週刊誌なら取り上げてもいいかもしれませんが、マトモな報道機関など客観的な事実を求める場合には不要な情報に思えます。

最後に、一時情報に触れられないと、ソースの信用性が問題になりますが、現状はリアルタイムな報道もあいまって問題なさそうです。さすがに一社独占になったら、不安ですが。。

つまり、もはや情報自体を手に入れることは誰でもできてしまうということです。

そんな中で重要になってくるのがキュレーションです。 全ての情報が得られるとは言っても、個人が国会答弁を全て見るのも、IWJの報道を追うのも物理的に不可能です。

つまり、情報の簡潔化、高密度化が求められます。池上さんのやってたニュース番組も、一般の人にわかりやすく噛み砕いていて、高度なキュレーションと言えます。 ここにおいては、アートなどにも関わりますが、テキストや写真だけでなく視覚化したり抽象化するのも有効かもしれません。聴覚情報(実況中継みたいな臨場感が出るかも)もアリですが、情報量が減る欠点があります。

また先日、アメリカ大統領選で51州全ての勝敗を言い当てたデータサイエンティストが話題になっていた(らしい)んですが、要は一般の人でも知り得る情報だけで十分すぎるデータが揃うから、あとはそれをどう活かすかという時代なわけです。

そんな時代の中で商品として情報を売っていく際には、専門性というのもキーワードになってきます。通信社の速報や客観的な浅い情報だけではもはや差別化ができない時代なので、各自で専門分野をもって情報の深堀りをしていくことが求められます。実際、ネットメディアはどこも特化してますよね。

というわけで、今や情報が溢れているので、新しい情報を追加するのではなくて、今無数にある玉石混交な情報から取捨選択すること、それに独自の視点や情報を追加して価値のある情報にすること、それをわかりやすく伝えることが現代のジャーナリズムのあり方かもしれません。

<参考文献> 「これからメディア業界でメシ食ってくってどうなんですか?」〜就活生から「OB訪問」されてみた(上) http://www.pressa.jp/blog/2013/04/ob.html

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