Fast&Slow

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過去記事です。

昨日は、ブログ更新とfc2のメンテナンスが被ったみたいで中途半端になってしまいました・・・。 今から見返しても、なんかとっちらかった文になってるのは認めます^^; けど、直すのめんどくさいからいいです。備忘録ってカンジで。。

で、今日のも備忘録で、昨日以上にとっちらかってます。。。 なぜか今日は読書がえらくはかどったので勢いで書きました。

Fast&Slow

タイトルからはなんの本か想像がつかないですが、脳科学、心理学の本です。

こういった、心理学と言うか脳のメカニズム的にこう考えるよね、みたいな内容が個人的に大好きです。すべての真実でないにしても、真理ではあると思うし、社会で生きていく上では必要だと思うからです。

この本のタイトルは、脳の二つのシステムからきています。

ファストはいわゆる直感の分野 経験則とか、感情とか右脳的とかがニュアンス的に近いです。

スローはロジカルの分野 合理的とか機械的とか左脳的なイメージです。

これら二つが組み合わさって人の判断は成されていて、特にファストの思考に関してはある程度の傾向が見られるようで、そこを統計学を用いて解き明かしていくとってもアカデミックな本です。

中身

なんか小難しい単語が並んじゃったので内容に行きます。ここでは、本文に出てきた幾つかの特徴を箇条書きにしてます。あまり人に見せるように書いてなかったので、読みづらいのはご了承ください。

プライミング効果

事前の知識や経験プライムが次の思考、行動を想起させる。 例 ラーメンの話をすると、他のものよりラーメンが食べたくなってくる。お金の話をしたあとは合理的に冷徹になる。

認知容易性

慣れ親しんだモノ落ち着いた状態などは認知がしやすい。より直感的にスムーズに処理しがちである 見た目が見やすい 繰り返し目にするものには好感を示す。 例 選挙期中の候補者の名前連呼

ハロー効果

最初の印象と一貫性を持たせようとする 頭のいい人の行動は全て正しいと思う。 例 イケメンはなにやってもイケメン ダメなヤツはなにやってもダメ

感情ヒューリステイック

好き嫌いなどの感情に応じて論理をねじまげること。 例 お店の対応が良いと商品自体もよく見える。嫌いな人の論考ははなから否定する。

平均回帰

ほとんどの事象は一定の確率に収束する。 しかし人は少ないサンプルで因果関係を作り出してしまう。

例 バスケなどのホットハンド、今シュートがノッている選手、のその後のシュート率はあくまで統計通りに過ぎず、ホットハンドなんて存在しない。賭け事のツキも、統計を取ると、ほとんど相関性がない。褒めるとミスをするのは、そもそもたまたまうまく行った時だけ褒めてるから。

後知恵バイアス

それと、過去のことについては、結果を知っているので、「そうなると思ってた」と言いがち。そして実際に、情報が上書きされてそう思い込んでしまう。 そうでなくても、人は手持ちの情報を過大評価してしまうものである。

野球の采配とかで、確率的には妥当な采配でも、負けたら責任がのしかかってきてしまう。まぁ、それが仕事だし、判断ミスしても結果がよければ手柄になるところですが。

アンカリング効果

事前に得た情報につられる事。プライミングと似てる 例 初めに商品の値段を一万円と言われると、それに近い価値があると感じる。「ガンジーは100歳で死んだ」と言われると、100歳は嘘だとわかってても、長生きしたに違いないと錯覚する。 交渉事では、初めの値段の設定がかなり重要。

代表性

ステレオタイプに近い特徴があると確率などを度外視してしまう。 例 「ロジカルな人がいます。この人の所属はどこか?」 と聞かれると数学科とかを答えがちだが、確率と絶対数(分母)を考えると、教育学部とかの方が割合が高かったりする。

以上です。

おまけ

日本人は恵まれてる。 単一民族で、不快になることが少ない、もしくは避けることが可能だから。加えて情報の局所性がある。

セバスチャン・スラン「Googleの自動運転車で目指していること」 http://www.ted.com/talks/lang/ja/sebastian_thrun_google_s_driverless_car.html 自動車の自動運転で事故る確率はどのくらいか?人よりも低いのではないか? おそらくの懸念が、万が一の事故を過大評価してしまうことや、SF映画などで見ているから怖い、という理屈じゃないのか。

人は出来事の結果に因果関係をつけたがります。偶然とは思わず。良い人間のやる事はすべて良い、などと安直な因果関係を見出したがるものです。 例えばGoogle。サクセスストーリーを聞いて納得しても、それの大半は偶然かもしれない。結果論なことが多い。 例えば震災。みんな、リスクを認知しながらなんで対策しなかった、と言うが、実際起こる確率は極めて低かった。リスクと発生確立を検討した結果なんだとは思う。 それでも用意しとけっていう話もあるけど、例えば念には念を入れて、100mの堤防作ったり、100キロ圏内立ち入り禁止にしてしまうと他のコストがかかりすぎてしまうので。

ほとんどの事象は予測できない、というより限りなくランダムに近い。専門家やアナリストでさえランダムな確率に劣るので、未来を予測しようとする事自体が烏滸がましいとも言える 人間の予測より単純なアルゴリズムの方が精度が高い。

人は概して、自分の知っている知識・経験をを過剰に扱いたがる。 消費者がそういった一貫性を求めるので、本などのメディアもそれを煽る。 一日くらいの見た知識などなんの役にも立たないが、えてして人はそれを重視しがちである。

一般的に人事評価とかもこんな観点で行われてる気がします。 ビジネスの世界で上司の感情とか主観で判断しちゃうようなところは少ないよね。きっと(-。-; あくまで、数字として現れるデータを参考にして単純なアルゴリズムに当てはめて評価するのがもっとも効率的かもしれません。

ちなみに、前のレビューでも書いたけど、アメリカは戦略的にこの手法を取り入れてるようです。 日本の心理学はどっちかというと趣味とか主観の方にいってる気がするんだけどどうなんでしょうか?

確率論で面白い題材を二つ。 ベイズ推定ってやつです。

モンティホール問題のエクセレントな説明を見つけたんで紹介

http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20080326/p1

タクシー問題

「ある街のタクシーの85%は緑で、15%は青 である。あるときタクシーによるひき逃げ事件 が起きた。そこに目撃者が現れて、”青のタク シーがひいた”と証言した。この証人がどのく らい正確に見分けられるかをテストしたところ、 80%の場合は正しく色を識別できるが、20%の 場合は実際と逆の色を言ってしまうことがわか った。さて、証言どおり、青タクシーが犯人で ある確率はどれだけだろうか?」

参照元 http://www.tsu.ac.jp/bulletin/bulletin/pdf/06/P137-146.pdf

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