貧困大国アメリカ

| Comments

※過去記事です。

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

お久しぶりです。

今日はちょっと現実のダークな部分のお話。 常々、日本のメディアとか官僚について厳しく言ってきましたが、アメリカと比べたらまだましなんじゃないか、というのと、アメリカのシリコンバレーとかの今の成長を見てると、日本ってダメだな、とか思ってた諸々がひっくり返る思いでした。

どちらがいい、とは言えないけど、大成功する企業がある裏には搾取される人もいるんだな、というのを改めて考えることができました。

貧困大国アメリカ

キーワードの箇条書きの後に感想を書きます。

(ものすごく長くなってしまいました。。  まとめる能力がないですね^^;)

Keyword

  • 肥満の原因は貧困
  • スーパーサイズミーの現実

昔は、裕福な人ほど恰幅のよいイメージでしたが、今や外食産業が発展したおかげで、太ってる、は貧困もしくは栄養のコントロールができてない人の代名詞になりました。

スーパーサイズミーという映画では、監督自らがハンバーガーのみ食べ続け、一ヶ月も立たない間に体調悪化によりドクターストップで中止させられた様子を描いています。 貧困なほど、野菜とかを買う余裕がなく、調理の楽なファストフードに走るからです。

  • 国民の命に関わる分野を民営化させるのは間違い
  • 災害対策、保険、医療など
  • アメリカの民間は市場主義。
  • そこには理念や道徳などは存在しない
  • 高校生はマックで時給五ドル 不法移民はより過酷な環境で2ドル
  • アメリカとの競争に負けた移民が押し寄せてくる

超合理主義

アメリカは徹底した合理主義です。 その中では単純労働者はモノとして扱われます。どうせならなるべくコストのかからない形で扱いたいと考えるわけで、日本みたく最低賃金の保証なんてないので、頭の悪い人、移民など社会的弱者はとことん搾取されます。

また、合理主義は消費者にも影響を与えます。企業が向いているのは顧客でなく株主です。理念なき経営といってもいいかもしれない。 その結果、人の命に直結する産業においても、金が最優先事項として扱われ、多くの人が損をします。 得があるのは経営者と株主だけの仕組みです。

  • 医療費は世界トップで高い。
  • 日帰り出産が当たり前。
  • 乳幼児死亡率が先進国一位
  • 医療費は保険会社が出し渋るため全額負担
  • 病院は無駄な診療を押し付けて来て、とてつもなく高い
  • 設備投資の回収、訴訟の回避から。
  • 保険関連の事務所理に、毎日追われてしまう
  • 笑わない看護師たち
  • 人員削減のため、看護師の負担増。
  • 子どもに、看護師さんの顔が怖いから嫌だ、と言われることもあるという。
  • 保険会社も、何かと理由をつけてお金を払わない。その結果消費者がどうなろうがしったことじゃない。

基本的に先ほどの資本主義で説明できます。特に医療の現状に関しては訴訟大国であることも起因します。 医師としては、後々診療不足で責任を追求されるのが嫌なので、慎重に検査を重ねようとします。しかしその医療費は消費者が負担するわけで、医師のいう通りにしてると破産するのでお互いに油断できません。

また、看護師もコストカットのため多くが酷い労働環境で働き笑顔が消えます。こんな環境でも労働争議が起きないのは、そんなこと考える余裕がないのと、おそらく移民とかで換えがきくからでしょうか。 ブラック企業の働かせ方みたいですねぇ。。。

現役ブラック企業社長が、社員を安くこき使う華麗な手口を暴露!(ビジネスジャーナル)

  • 貧困は国の政策によって拡大してきた。
  • 弱者は捨てられる社会
  • 貧困地域は軍のリクルーターに個人情報などを持っていかれる。
  • 軍の勧誘は学費の免除とかあるので、貧困層は選択肢がなくそれに飛びつく。
  • 大学もとてもお金がかかり、奨学金を借りていてはむしろ支出が膨らむ。
  • 勉強したくてもできない環境ができている。
  • 教師は「軍にはいるのが一番いい」と言わなければならなくなる。

最近日本でも、就職難から、収入が少なく奨学金を払えないケースが発生してるようです。

失業して借金だけが…奨学金滞納、10年で3倍(yomiuri online)

ただ、そっちは甘えがあると思う。日本は学生の意識が総じて低く、社会に出る準備をしてればだいたい就職できると思われるのでまだまだ恵まれてそうです。アメリカはもっと厳しい。 移民はまず永住権がないと働けないし、貧困街の子はまず進学するお金がないから仕方なく軍などに搾取される。そして、その格差を助長させてるのが国の政策だったりする。

  • 報酬をエサにひどい労働環境のところに連れていかれ、結局医療費がかさむ。
  • 民間は軍隊とは違い、公になることはない。
  • 武器も持てず、福祉も不足している。
  • リクルーターにも競争させることで、効率よく雇用ができる。
  • 騙し、恫喝は当たり前、社会的弱者はとことん搾取される。
  • 戦場では全体の1/3とかがPTSDになったりする。もちろん物理的なケガも。

学生だけでなく貧しい大人も例外ではありません。軍でも職があるだけまし、と思われるかもしれませんが、環境が悪すぎて、医療費込みだとむしろ金銭的にマイナスです。

そして、上手い仕組みを作ってるな、と思うのが、軍のリクルーターにも競争させること。彼らは国内で仕事できるので、軍の他の職より倍率が高いので、みんな職を維持しようと必死です。その結果、進めてもないのに騙してリクルートするなどの事態が横行します。いずれにしろ、正直な人・信じやすい人・要領の悪い人は生き残れません。

国が軍事力を持つとこんな状況が生まれます。日本は軍がない分、中国や北朝鮮から虐められ、アメリカのお世話になってますが、そのリスクを追ってでも、軍なんてないほうが幸せだとも言えますね。

まとめ

おそらくだけど、心理学とかに特化した専門家が多くいるんだろうなぁと。 アメとムチという言葉がよく似合います。人の価値観すらコントロールしてますね。

アメリカを牛耳ってるのは仕組みを作る側。職でいうと政治家、保険、金融、IT、他には心理学者、統計学者でしょうか。 仕組み通り働く側になってしまったら、移民たちと死ぬまで競争させられます。 向こうがこんだけ犯罪率が高いのも納得ですかね。

ただ、そのおかげで自由の国として世界のトップにいれて、国民が恩恵を受けていることは間違いない。

対して日本はというと、明らかに金持ちに厳しいです。 納税の負担ももちろんだけど、世論的に金持ちはバッシングを受けます。どっちかっていうと共産主義の考え方なので、富裕層からしたら「マジメに稼いで多く納税してんのにこんな扱いなら日本にいない方が得」と思われても仕方ないです。日本では、戦死者の代わりに自殺者が多いらしいですが、環境で言ったら恵まれてる方です。

一方の中国は貧富の差が激しく、頭のいいエリートがパンピーを騙して搾取するので、むしろ資本主義と言えますね。

最近だと、維新の会が資本主義を進めようと頑張ってますね。 財政立て直しの代わりに格差がひどくなってくと予想されます。 能力ないヤツはどんどん虐げられる社会になると思いますよ。

ちなみに、ここでは、国外からのルポということであまりメディアには触れていなかったが、そこで流れる情報にも影響を受けていると思われます。メディアだって民間企業なんだもの。 日本と比べたら多様化してるってだけで、実際イマイチな報道かもしれないですね。。

Comments