絶望の国の幸福な若者たち

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絶望の国の幸福な若者たち

親が貸してくれたので、さらっとですが読みました。 この本はタイトル勝ちだなぁ、ってのと、若者が読んでも面白くないなぁ、 って感じです。

内容

終始傍観者を貫いていて、良くも悪くも、ただ現状を述べてるだけ。 そこから何か前向きな話をするわけでもなかったです。

頭の良い作者が現代の社会をとことん皮肉ってる感じ。 書いてあることは非常に的を得てましたが。

巻末の佐藤健との対談も、ものすごくお互いに個人主義で、 そりゃぁ政治とかに興味を持てないのも頷けます。

ただ、これにみんなが賛同するんだとしたら、なかなか大変ですね。。。

というのも、徹底した個人主義(もしくは自分の周りがよければいい) という考え方じゃ国家は成り立たないからです。

『若者』大半は、「別に国家なんてなくてもいいじゃん」と思うでしょうが、 国家がなかったらたぶん若者は生きていけません。

古市さんはじめ、優秀な人たちはどこいっても生きていけるでしょうが、 日本語しか話せず、学校教育もなぁなぁでやってきて、 世界トップレベルの住み易さに慣れた『若者』が、 他先進国では雇ってもらえないでしょうし、 途上国では生活レベルに耐えられないでしょう。

本文中に、

「日本」がなくなっても、かつて「日本」だった国に生きる人々が幸せなのだとしたら、何が問題なのだろう。 国家の存続よりも、国家の歴史よりも、国家の名誉よりも、大切なのは一人一人がいかに生きられるか、ということのはずである

ってのがありましたが、これは無茶でしょ^^; 原発とかの管理できなくなるし、 生活保護とかの分配がなくなったら犯罪多発するし、 そもそも警察とかもいなくなる(もしくは民間で恣意的に使われる) とかマジ世紀末でしょ。。。

繰り返しだけど、その中で生きれるのは筆者みたいなエリートだけだって。 資料としては見やすかったけど、考察が投げやりというか、 たぶんタイトルありきで、なんとなく執筆(研究?)したんだろうな〜 と思ってしまいました。

彼らみたいな優秀な人こそ、自分の周りだけじゃなくて、 広く見てアクションしてくれたらいいのになーとか思いました。

この本読んで納得して終わるようじゃ、 ちょっと日本の未来危ないかなーとか、 日本危なかったら、日本人みんな危なくなるなー、とか思います。

オマケ

恥ずかしながら、読んでる最中から、 「どう批判してやろうか」みたいな感情が一部ありました。

だけど、個人的にあんまり悪いことじゃないかなと思ってます。 なんでかっていうと、これは同年代のスターに向けての嫉妬なんだろうなー ってのと、嫉妬するってことは、雲の上の存在とかじゃなくて、 まだ張り合う気でいるからだと思うんですよね。

文中にもありましたが、 格差が広がれば、むしろ自分と違う世界の人達だと認識して、 比較する対象にならなくなるじゃないですか。

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