収監 僕が変えたかった近未来

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収監 僕が変えたかった近未来

日本人は純粋すぎる。率直に言えば子どもだ。

この本から、そんなことを思いました。 良くも悪くも、日本人離れした天才が強調を重んじる日本で 翻弄されていく、そんなことを思いながら読みました。

  • 嫉妬心が強い。
  • 自分が正義だと思い込む。
  • 新しいことを受け入れる器量がない。
  • そのくせ頭は良く、現実解を求めて夢がない。
  • 自分と同じ境遇を要求する。
  • 清貧こそ美とする。

この本で描かれている日本人の悪い点を挙げるとすればこんなところです。 それぞれは悪いことではないのですが、これらが組み合わさっているおかげで、 個性の強い出る杭は打たれ、成功すれば疎まれ、 合理的な判断よりも感情論が先行してしまう。

「そんな人ばかりじゃないよ」って人も多いかと思いますが、 それは周りに合わせてるからでは?

ネットの記事や週刊誌、(昼ドラ)などを見ても、 陰険な記事、欲望むき出しの記事は注目を集めます。 表立っては言わないけど、みんなそーゆーどす黒いのが好きなんじゃないでしょうか?

特に目立ったホリエモンからしたら、出る杭を叩く的な記事を書く記者の裏に、 その記事を欲してる読者の存在がチラすいていたのではと察します。

司法にしても、どうも執行する人の『正義』の解釈が独善的と思います。 > 司法試験に受かってからずっと検察という狭い世界で生きてきた 〜人たちが判断するというのは確かに不安ではある。

国民の幸せのツールであるべき法律、 それ自体に縛られて国民の幸せを制限してしまう可能性があるから。 法律が絶対だとしても、司法は絶対ではないんだよ。 そこが、エリートである検察官、警察の人間は理解しているのか?

また、”科学者はいつも挑戦者である。”という視点。

新しい発見をしたら必ず実用化させようとするのだ。 理解できない人たちはそれを全力で止めようとするだろう。 しかし、いつのまにか当たり前となるのだ。

これには激しく同意。 クローンとか脳科学とかにしても、始めは戸惑うもの。 新しい概念を受け入れるには、今までの概念を壊さなきゃいけなく、 苦痛が伴うから。 だけど、一度受け入れてしまえばそれがスタンダードになるのが社会の常だよね。

最後に、個人的に特に興味のあった内容。

風営法の制約も大きく、当局はいつでも取り締まりが可能。

それは当局の裁量を認めることになり、様々な不正、談合が起こりうる。

確かに、厳しい法律は秩序を守るために有効な場合があるけど、 守れないほど厳しくて、その不正がはびこる状態は非常に危険である、とのこと。 例として、「どうせ風営法的にバレたらアウトなら、非合法なことしまくろうぜ!」 と、ドラッグ・売春みたいなことが起きたり、 権力との癒着で、賄賂・買収などが発生したり。 (そもそも、非合法って儲かるに決まってるよね。)

また、風営法など厳しくして構わない、 という意見もあるかもしれないが、文化はそこから生まれて来たという。 清貧を尊ぶ協調的な価値観が強く、また青少年の教育が・近隣の治安が、 と言われると反論しにくくなる。 これも理屈でなく感情の問題である。

最後にまとめると、

規制が日本の不景気ムードの雰囲気作りになってしまっているのではないか?

とのこと。 今のなんとなくの息苦しさの元凶は規制にあるのでは・・・ そのせいで出る杭は打たれ、権力が暴走してるとかね。

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