百匹目の猿

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百匹目の猿―「思い」が世界を変える (サンマーク文庫)

久々のブックレビューです。 最近本読んでないですねー。

今回は船井幸雄さんの本です。 経営コンサルタントをしているかなりの著名人です。 業界では超がつくほどの偉人らしいです。

そんな人のこの本、内容は哲学に近いものですかね。 場の共鳴とか、波動のエネルギーとか、現代科学で証明できない 不思議な力を、実例を用いて説明したのち、 どういった考え方を身につけるといいのかを書いています。 うさんくさい内容ではあるのですが、第一線で活躍している ビジネスマンの書かれた本ということもあり、 ちょっと耳を傾けるに値する内容だと思います。

百匹目の猿

まず、タイトルの百匹目の猿ですが、 とあるサルが、芋を洗って食べるという知恵を身につけました。 それを目にした周りの猿たちもそのやり方を真似ていき、 群れ全体にその食べ方が流行したそうです。

その後、まったく別の地、上記の猿の群れとの交流が一切ない地でも 同じタイミングでサルたちが芋を洗って食べるのが目撃されたようです。

つまり、ある文化・行動が、ある程度の規模 (ここでは便宜的に『百匹目』と書いています) にまで広まったとき、 物理的な接触を超えた『共鳴』というものが存在する、 という事例がこの本の起点になってます。

これと別の事例として、

『波動』によって感情・エネルギーが伝播して他者に影響を与える。

同じことについてたまたま同時に考え・行動している、

シンクロニシティと呼ばれる現象が起こる。 (例:特許やビジネスモデルなど、  船井さんも執筆中に同じテーマの本を書かれている方に会ったそうです)

過去の存在からも影響を受けるため、文化が継承される

趣向が似ていたり、長年受け継がれてきたもの(芸術・歌)などは そっくりの偽物と比較させても本物の方が受け入れられる などといった実例も出てくるのですが、

これらを聞いてどう感じるでしょうか? 「非科学的だ!」と思って聞く気すら起きないでしょうか? それとも、「危ない思想のおじさんだ。」と否定するでしょうか?

自分の想像を超えた世界を受け入れるのは非常に困難で勇気がいります。 さらに、近年では宗教勧誘やら詐欺やら、 素直に受け入れていては騙されてしまうことが増えたため、 ますます懐疑的になります。

船井さん本人は、 「鷹は鶏よりも高く飛ぶが、鶏より低い視点も持つことができる。  しかし、鶏は鷹よりも高い視点から物事を見ることはできない。」 と表現してます。

過去のガリレオやアインシュタインの理論がすぐには受け入れられなかった理由 も同様でしょう。 今までの知識や経験を超えたものについて、人は理解すらできないものです。 特に、知識・経験が多い高齢者にその傾向が強いです。 しかし、過去にもそういったパラダイムシフトは起こっています。

信じる・信じないは個人の自由です。 ちなみに僕は理系で頭が固いこともあり、まだ信じ切ってはいません。 ただ、これらの現象を受け入れた方が楽しくなるな、とは思っています。

例えば、病は気からというように、意識して前向きに考え エネルギーのある人と関わっていればエネルギッシュでいれるでしょう。 また、シンクロニシティを受け入れれば、前向きな自分に共感してくれる人が増え、 一定量を超えると、後ろ向きの人をも前向きに変えられるかもしれません。 本物は継承されるエネルギー・共鳴力が強いことを受け入れれば、 自ら本物を追求し、イノベーションを起こせるかもしれないし、 ニセモノ・粗末な製品は淘汰されていくでしょう。

ただ否定して現状維持はとりあえず安泰です。 ただ、まだまだ科学で解明できない事例もあるんだ、と思うとワクワクします。

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