攻殻機動隊の世界

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先日、攻殻機動隊をみました!

いやー、面白かったですね。 アニメってだけで多少敬遠されがちですが、 そこらの映画よりもよっぽど作り込まれていて内容も深いです。 見てない人は是非一度見てみて!

(先日みた宇宙兄弟は、バカで笑えましたが、深みも含蓄もなかったので、感動もクソもなかったです。)

では本題、そこで思ったことをいくつか。

まず、ざっくり説明から。 攻殻機動隊の世界は、今よりそう遠くない未来、 体のサイボーグ化が進み、自分の脳を電脳世界と接続できるというものです。

身体能力を上げるため、体は義体化している。 感覚も義体を通じて、より詳細で正確な信号が入ってくる。 脳は外部記憶装置と繋がったり、 足りない知識はいつでもネットにアクセスすることができる。 人との交流やデータの授受も、ネットを介してシームレスに行える。五感に頼らずに。

こんな世界で、ハッカーなどの犯罪を取り締まる警察のお話なのですが、 難しいけど理系は大好きな構成だと思います。 追っていく中で犯人の思想:哲学もわかったりして、 ニンゲンって何だろうと考えさせられます。

作中に、電脳をハッキングされ、五感や記憶を操作されるという描写があります。 人の五感はあくまで信号に過ぎません。 物があるという信号を目から受け取り、 手と物が触れたように見えると同時に、 手から触れてるという信号が流れ、 場合によっては同じタイミングで耳に音の情報が入ってくるだけです。

記憶も同様で、シナプスの電気信号の集合に過ぎません。 『その事実があった。』 というのは自分自身がそう信じてるに過ぎない。 他人に聞いたとしても、所詮その人がそう思ってるだけに過ぎない。 さらに言えば、物証などの外部情報も、五感がそう認識したに過ぎません。

それを我々は勝手に関連づけて世界を見ているに過ぎないのです。 そもそも、我々がみてる世界は同じなのでしょうか? もし、世界がちゃんと存在して、 みなが等しく外部からの信号を受け取るとして、 各感覚器官から脳への変換コードはみな等しいのでしょうか? みなが知覚している世界は同じなのでしょうか?

人によって、精神状態によってコレは変わるように思います。 みんな、見たくない事実は認識しないようにするものです。 トラウマや二重人格、といったものも、 精神の自己防衛による感覚の認識の歪曲です。

ちょっと難しい言葉ばっかりになっちゃって本意ではないのですが、 言いたいことは、

『こんな世界ってみんなが望んだ未来なんだろうか?』『本当にこれで幸せなんだろうか?』

っていう、科学者ならだれもが思うのであろう永遠の問いです。

次回、それについて哲学っぽく書きますね。

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