コンテンツ産業(人気の出るコンテンツとは?)

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今日は、良いコンテンツとはなんぞや? という話。

と、その前に、以前披露した 「ゆとり推進」からの「コンテンツ国家」へ、という指針の 地理的な考察も併せて。

以前より(震災以降特に)一部のIT系従事者らから 「日本はコンテンツ国家たるべき」 という話が出てきてます。

ちょうどこの間、ドワンゴの川上会長と東浩紀の対談を見たのですが、 二人とも「日本でモノづくりはもはや難しい」という認識でした。

その理由として地理的要因を東さんが挙げていたのですが、

  • 地震が多い
  • 土地が高い(日本が廃れれば安くなります^^;)
  • 活火山が多い
  • 孤島
  • 平地が少ない、川が多い

などなど、 震災もあったし、大型の台風もしょっちゅうくる事から

「そもそも日本って人が住むのに適してないんじゃないの?」

という話から始まり、 地震や川の決壊などへの備えにかなりコストがかかる時点で、 ビジネスをする上ではかなり不利なんじゃないの?

という問題提起をしていました。 (成田空港なんかもアクセス悪いし)

その上で、やはり今後は「コンテンツ国家」になるべきだろう という話なのですが それらを世界に発信しよう! と思った時に、

『じゃぁ、世界に発信するコンテンツってどんなものが良いの?』

という問いが出てきました。

 ※コンテンツとは、文化・芸術の全般的なものだという私的見解です。   例えば、映画やマンガ・絵画なんかもそうですし、   書籍・雑誌・グッズの類も広義のコンテンツだと思います。   まぁ、エンタメ系の全てのモノです。

たしかに、日本で流行るコンテンツと世界にウケるコンテンツは異なりそうです。

そこで、二人の議論で出てきた一つの指標として

『そのコンテンツが、ハイコンテクストかどうかではないか?』

で測れそうだ、という話が。

ハイコンテクストとは、まぁ言葉で説明しづらいのですが、 コンテンツを楽しむもの同士で「共通認識」がある、ということだと思います。

たとえば、昔の『浮世絵』なんてのはエラく 『ハイコンテクスト』なコンテンツだったようです。

「あの舞台のあの場面をあの俳優が演じているところを  あの絵師が描いた。」

なんていうお互いの共有情報があって初めて価値があるものらしいです。

ちなみに、現在浮世絵と言うと「東洲斎写楽」が有名ですが、 彼の絵は、当時はそんなに評価されていなかったらしい、 と東さんがいってました。

それが、何故今では有名になっているのかというと、 海外の人らが、浮世絵についての共有知識がなくても魅力を感じるような、 絵単体として優れているような作品だったからじゃないか、 という議論を展開してました。

この視点はなかなか興味深かったです。

学生のころに、男子でわいわい騒いでるときは楽しかったけど 女子や知らない人と話すとあまり盛り上がらないのは共有しているものが少ないから ハイコンテクストな文化が生まれないからなんだよ。  とか、いろいろ話してました。

ようはマニアックなやつらだけで楽しんでるような オタク文化みたいなもんなんじゃないか、とかね。

 個人的には、クラシックやワイン・絵画なんかも  ハイコンテクストなモノだと思っています。  作品単体ではそこまで価値を見出せないじゃないですか。  まぁ 余談ですが。

では、単純にローコンテクストなもの (事前知識なしで作品として優れているもの) が継承されやすいかと言ったらそうでもないところが難しい。

例えば、『源氏物語』って、 今で言う腐女子向けの同人誌みたいなもんだったという説があります。 僕も同感なのですが、あれは当時は格調高いコンテンツじゃなかったと思うんです。

それが今でも継承されて認められているのは、 二次創作されていったからなのではないか、という説もあります。

当時はコピーなどは無く、全て写経(手で書き写す)してました。 その過程で、各々の好きなようにキャラ設定を変えていったり、 創作していった、というのは有名な話です。

要は、その時の流行りにあったものを生み出せていったからずっと継承されて 今まで残ってきたんではないか?ということです。

今のニコニコ動画なんかもまさにその視点でもって、 『クリエイタ―奨励プログラム』とかやってますよね。

さて、だいぶまとまりがなくなってきましたが、 まとめると、

文化・コンテンツ国家としていくとしたら、 自分達の好きなモノだけつくっていると どんどんハイコンテクストなものになっていき 国内のオタクだけで消費されて終わりになってしまう可能性もあるので もっと広く考えなくてはいけないかもね。

という話でした。

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