そして、メディアは日本を戦争に導いた

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昭和史の泰斗であるお二人の対談集。

そして、メディアは日本を戦争に導いた

  • メディアコントロール
  • メディアの弱み
  • 付和雷同な国民性
  • 現代のジャーナリズムへの嘆き
  • 今後のジャーナリズムへの考察

メディアコントロール

昔から権力者はメディアをコントロールして来た。 というより、管理しないととても不安だった。

昔は情報源が新聞や雑誌しかなかった。他のチャネルが存在しなかったから。

すると、国としてはそこを押さえておけばコントロールできる。 印刷や主要出版社に圧力をかけることで言論を封殺できる。 具体的には法と暴力。

例えば、戦時中などは、政府の側が侵略戦争と自覚していたのか、 その手の言論は一切を法で制限した。

不適切な発信を繰り返すものは投獄してしまえば言うことを聞いていた

(一方インターネットが広まってからは中国ですら統制できていないですね。)

メディアの弱み

いざとなったら国家の宣伝期間になってきた過去がある。

理由は、ビジネスであること。社員を多く抱えていること。

ビジネスであること

戦争を煽るとメディアの売り上げが伸びる。 なぜか?

生活に直結するから。正論じゃ飯は食えないから。平和は面白くないから。

国民の側も、戦争を煽っているメディアの方を評価し、戦争反対へは不買運動を起こした。 また、政府の側も当然取り締まっていた。

それなら、売れるために、自身の安全のために主張を変えるくらいはするだろう。

また、マスメディアは終戦時は軒並み手のひら返しをして民主主義や戦争反対を訴えた。 その方が売れるからだ。

社員を多く抱えていること

経営者は社員の雇用をぶち壊せない。

圧力がかかってそのままでは立ちいかなくなると、経営者は涙を飲んで方向転換するしかなかった。

ソースの確保は深刻な問題か?

「情報源が権力の側にある。それを取りに行く時には相手に媚びなければならない。」 というが、それは言い訳ではないか。

そんなことを言っていたらジャーナリズムの目的の一つである権力の監視はできない。 改憲があろうがなかろうが、不審な点や情報不足となれば主体的に取りに行くのが本来ではないか。

付和雷同な国民性

雪崩現象を起こしやすい。熱しやすく冷めやすい。 戦時中もそうだったし、その後も松本サリン事件などから本質は変わっていないと感じ取られる。

戦争当時は国民がバカだった。 少なくとも視野が狭く、国際的に常識な判断をできていなかった。

今はどうか?視野狭窄に陥っていないか。

現代のジャーナリズムへの嘆き

不勉強なやつが多い。

知らなくて当然、という態度は良くない。 どこまでは自分で調べられて、どこからは相手に聞かなければいけないのか、 その線引きをしっかりする必要がある。

上から言われて取材に来るやつが多い。その人が何を知りたいのか伝わってこない。

個人が気ままに発信できるからジャーナリズムの価値が落ちている。

今のメディアは影響力がある割に中身がない。 時流が早く流れすぎる。

過去から学ぶことのすすめ。

特定機密保護法はかつての報道規制に重なるものがある。

本からの教訓

国民的熱狂は危険。 精神論よりリアリズムを エリート集団は視野が狭くなりがち 国際的常識を身につける。 長期的な最適化を

言論は自由であるべきだが、それを政府に依存するのはよろしくない。

今後のジャーナリズムへの考察

此処から先は僕の主観です。

メディアコントロールへの抵抗

メディアコントロールがなぜできたかといえば、 メディア自身が売れること、存続することが至上命題になっているから。 弱みがあれば付け込まれる。

人を多く雇い、印刷所が固定されていればそこへ付け入るのは容易い。

そういう意味では、当時は他に手段がなかった。

だが、今は海外からでも印刷所がなくても個人でも発信できる時代。 そこの制約は原理的には取り払える。

wikileaksが騒がれるワケ

wikireaksのアサンジ、CIAのスノーデンがあそこまでできて今も捕まらないのは、 逃げられるから。弱みを持たないからだと思う。

彼が従業員を抱えてビジネスでやっていたり、妻子がいたりすると身動き取りづらいだろう。

なるべく依存を減らすことで権力の圧力は回避できそう。 そうすると今後のジャーナリズムの方向性が見えてくる。

今後のジャーナリズムは仕事でなくなる

一つは、場所を問わず仕事ができること。 情報収集、生計を立てること。

一つは発信媒体を依存しないこと。 一時的にその媒体を活用するのはいいが、他へ逃げ道がないと死ねる。

政府 マスコミに期待しても仕方が無い

政府に関しては、民主主義で一人一票、その大多数がお年寄りで彼らと今の世代とのチャネルが乏しい、お年寄りが長期的に考える能力がない、時点でもう無理だろう。どれか崩れればいけるだろうが、そんなのあり得ない。

マスメディアに関しては、媒体の存続が至上命題になってる時点で無理。一度潰して有志だけで立て直したらいけるかもしれないが許可されないだろう。

かなり否定的に話しているが、橋下さんのやってることが支持されてない、周知されてないのにそこから変えるのは無理だろう。現実問題、市民はお上の不正は許せないがチェックする気なんてないのだから。むしろ知らぬが仏でやってきた。

圧力に対して

できるなら、政府に追われるような身の上になりたいですね。 なんかかっこいいじゃないですか。

どんな圧力になら屈するかを考えて見たこともありますが、原動力は好奇心なので、もっと興味を引くものをぶら下げてくれたら移りますね。

暴力や法に対しては海外に逃げるし、媒体を潰されたら自分で作るし。

依存がないということは孤独でもありますが、何故か好奇心が勝っちゃってるんで仕方ないですね。

おまけ:仕組みを中から変えることについて

公務員やマスコミの一員になってのし上がって中から変えてやろう、という意気込みに対しては、 個人的には他より難しいだろうなと思っています。

たとえば。熱い思いを持ってマスコミに入っても、 島耕作ばりの出世をするにはたぶん信念を曲げなきゃいけないこともあるでしょう。

こんなことを言われたら反抗できないな、という一例

  • 新人時代「数年はここのやり方を真似ないと上に上がれないよ。」
  • 中堅時代「もっとやったらもっと上がるよ。」
  • 上層部「みんなやってるからそれ以上に頑張らないと。」
  • 取締役「代表が載せるなといったから載せられないよ。嫌なら辞めな。」
  • 退職して外から告発「公表してもいいけど、お前の過去の発言を全部載せようか?」

という構図になることは容易に想像がつく。

「記者クラブに入らないと閉鎖的な会見は変わらないだろう」とかもちょっと違う そもそも中から変えようとする動きは押さえ込まれるだろうし、どうせマスコミが発表するならそんな会見とかは要らない。

それより、会見での発言や実際のデータからおかしいところを追求していくことが重要。

現場主義とかはわからなくはないが、記者クラブが取り仕切っているところは多分現場じゃない。

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