ハッカーと画家

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ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

Scrap & Build

ソフトウェアの世界ではAgileとも言う。

アメリカは、突飛なものや大胆なものは数多くあるが、 丁寧に無駄なく組んだり、全体の整合性というと弱いところがある。

文化としてスピードと場当たり的な考え方をしている。 これがソフトウェアの世界ではうまくはまった。

すぐ作る。余計なことはしない。結果としてシンプルで変更しやすいようになる。

オタクの人気のなさ

彼らは承認をあまり必要としない。 自分の興味のある方面に全力を注ぎ、人気になるための努力は後回しにする。 周りの評価を気にする人のみが、必要以上に目立とうとし、イジメを行ったりする。

ハッカーと画家

クリエイティブな仕事である。

今無いものを作る。 そのため、大まかな骨組みを先に書き、作り上げたサンプルに何度も修正を加え、 納得がいくものができたら詳細を作り始める。

事前に作るものがわかりきっているならばそれは単純作業だ。クリエイティブじゃない。

人間語と機械語の翻訳を担っているわけではない。 新しい仕組みを考る仕事だ。それがたまたま機械で理解できる形式になっているにすぎない。

異端を受け入れよ

ハッカーはゼロベースで理想を考える。あるいは好奇心のままに真理を追求する。

その過程に邪魔な因子は、常識だろうが取っ払う。

王様は裸だ。地球は回っている。 これらは今だったら当たり前に言えるが、当時は言えなかったし、言っても相手にされなかった。

異端は、真実と違うというわけではない。 ただ現代の常識、道徳、倫理に当てはまらないだけだ。 それが未来の常識になる可能性は大いにある。

異端は恐れられる。だが、それが重要。 誰からも相手にされないものは無意味だが、恐れられる、攻撃を受けるのは意味がある証拠だから。

これからのテクノロジー

技術は常に、より簡単(初期投資が低い・柔軟)なほうにシフトする。 大きなサーバー機からデスクトップアプリに変わったように。 今またサーバーサイドでの提供(SaaS)が主流になったように。

なぜなら、開始のコストが下がれば参入者が増え、試行錯誤の数が増えるからだ。 ちょうど、触媒を加えると化学反応が活発になるように。

するとその中から現れる「良いもの」の絶対数は上がるだろう。

富の作り方。

ストレスを数年に押し込む。 もっと働かせろ、早くやらせろ、という手段。

小さな組織のほうが個々人の成果の振れ幅が大きく、上がれるチャンスが多い。

富と仕事の強烈な動機付けを行うことで、死ぬ気で働く。

格差は悪いことじゃない

格差を生む、貧困を生むことは悪いことと言われているが、そんなことはない。

相対値でなく絶対値で考えよう。

誰かがとてつもない発明をしたらその人に莫大な資産が手に入るとする。 それを求めて多くの人が競いあう、またその発明を共有することで、社会はどんどん発展する。

もちろんその恩恵は貧しい人にも与えられる。

現代ではPCとネットさえあれば誰でもGoogleが使えるし、 PCもネットもどんどん安く、高性能になっている。

結果として、相対的に貧しくても絶対値では豊かになっているはずだ。 そして、ハッカーはその理想を求める。

デザインのセンス

良いデザインは

  • 単純で永遠
  • 目的を果たす
  • 簡単に見えるが難しい
  • 試行錯誤の中から生まれる
  • 一見奇妙だが理にかなっている

これらを満たすために、

  • チームで補いあって
  • 変更しやすいように常にシンプルに保ち
  • 偏見を取り除いて理想から考える

必要がある。

プログラミング言語

プログラミング言語は最終的には自然言語に近くなる。

ハードウェアを意識せず、本来やりたいことだけを書けるようになる。

数学は不変なのでそれに追いつく。

デザインパターンを学ばないと丁寧にかけない言語は良い言語なのか?

おそらく、数学の知識と作りたいものの構想力があれば、誰でも書けるようになるはず。

感想

ハッカーとは、プログラミングに秀でている人のことじゃなくて、 既存の仕組みを良い方向に変えていくもののことを指す。 (ライフハッカーなんて言葉もあるし。日本だけかもしれないけど。。)

現状、それをするために可能性が高い(参入障壁が低い・少数でできる・期待値は無限大・意図した通りに機能する) のがプログラミングというだけのことだと思う。

僕の思う理想形は、現実世界をどんどんハックしていって無駄なものを全てそぎ落とすこと。 本質的なところにのみ注力できるようにすること。

ちょいちょいブログで書いているメディア論や働き方に通じるところがある。

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