自由と繁栄の弧

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自由と繁栄の弧

見て分かる通り、2007年の本です。 なんで今更、ってカンジですが、借りたものなので特に理由はないです。麻生さんの本を読みたかっただけなので。

当時の麻生さんの外交スタンスや、日本の立場などについて書かれた本です。今回は主に内容を要約する感じにします。(当時)と書いて有る場合は、2006~7年当時のことなのでご了承ください。

近年のアジアについて

30年前は、アメリカが文化のトップで、アメリカ製品・街全てがカッコよく見えた。それが今では、日本製品が勝ち、ジャパンファッションも流行している。今はアジアが、人口が多く伸びしろのある、しかも楽天的で前向きであることから、世界の希望となっている。

中国はまず間違いなく経済大国になり資本主義化する(当時)。他アジア諸国も軒並み成長していて、今後の重要なネットワークになるだろう。その証拠が先のSARSだった(当時)。あれだけ大事になったのは、人の出入りが激しいアジアだからこそ。

日本の世界への貢献

  • 極度なナショナリズムの経験
  • エンタメ大国
  • 支配と独立の経験
  • 高い民度と協調性

これらを備えているからこそ伝えられるものがある、というお話。 日本は戦時中、極度のナショナリズムに振れ、その後持ち直した経験がある。また利他的で集団への帰属意識が強く、過去の経験から環境への配慮もしている。さらにそれを可能にする、技術や勤労意欲がある。我々は勤労を社会への貢献と捉えることができる。(キリスト教では、労働は神に与えられた罰なんですよね。)おまけに、強い娯楽文化が育っている。

個人的意見

グローバル <ー> 鎖国

利他主義(集団主義) <ー>利己主義  

という構図で捉えてみました。近年、グローバルというのは避けられないものなので、そうすると自国の利益のみならず相手の立場も考えるべき。それは個人単位でも同じですよね。というカンジ)

具体的に、途上国へのODA支援 アフガニスタンへのDDR支援(当時)をやっていました。 日本のスタンスとしては、「自由がないと繁栄はない」ということで、支援もお金だけでなく、現地の人々の自尊心を高め、独力で仕組みを回すように支援することで、地域の発展に貢献していました。 これには、日本の文化の輸出も目的としていました。つまりは前述した民度の高さであったり集団意識などです。実際に、派遣された自衛隊は脱走や略奪などもなく真面目だったのでものすごく感謝されたようです。

また、マンガ大好き麻生さんは日本のエンタメ文化についても語ってました。

  • ロボットの語源→ロボータ(労働) この奴隷的なイメージを変えたのが、鉄腕アトムや鉄人28号、ドラえもんだった。
  • キャプテン翼は海外でも大きな影響を与え、かのジダンもキャプ翼の影響でサッカーを始めたらしい。
  • (これは海外の例ですが、ポパイのおかげで海兵は屈強な男のイメージになっているようです。)

これらのことから、マンガなど大衆娯楽の与える影響は絶大です。心にスッと入りやすいし、文化や価値観なんかも伝わります。

最後にこの言葉で終わりました。 参照元:ニーバーの祈り

”神よ 変えることのできるものについて、 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。 変えることのできないものについては、 それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、 変えることのできるものと、変えることのできないものとを、 識別する知恵を与えたまえ。”

外交は、とかく相手と対話して妥協点を探るやり方ですよね。どこまでなら通じるのか、どこからは超えちゃいけないのか、正しく判断することが大切です。

オマケ:靖国神社についても語ってました

戦死者たちは、国家の栄誉を持って祀られるべきで、今(当時)のようにマスコミに面白おかしく騒がれるようなものではない、とした上で、宗教団体が管理してるのが良くない、国営にしてしまえばいい、と語ってました。 靖国神社は、モノに価値があるんじゃなくて、国を守ってくれた幾多の勇士たちが祀られてるモニュメントとして重要な日本の文化だものね。

割と有名なこの動画。 日本の伝統とオタク文化の融合ですね。

麻生さん、ちゃんとローゼンメイデン読んでたらしいね

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